tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

バイエル「8分音符の練習」

バイエル下巻から8分音符が出てきますが、44番の前に、番号のふっていない予備練習として「8分音符の練習」あるいは「8分音符のおけいこ」という題名の曲があります。 うちでも準備練習として使っています。8分音符が導入されることにより、リズムが複雑にな…

線と間

楽譜は五線と音符を使って表されますね。 (記譜法は時代や国などでも変わってきますが、一般的な現代の西洋の記譜法において、です)五線は言うまでもなく、5本の線のこと。 1本ずつ名前がついています。 下から順に第1線、第2線・・・第5線まで。 音符を書…

槙村さとる「まみあな四重奏団」

1988年にマーガレットで発表された漫画です。当時、友達に借りて読みました。すごく好きだったことを、ふと思い出してネットで手に入れました。この作品、色んな登場人物に自分を投影してしまって、涙無くしては読めません(汗)初めて読んだときは主人公と…

ABC新人コンサートオーディション

2016年にその歴史に幕を閉じましたが、件のオーディションで、若い頃、認めていただきました。1次予選(カセット審査)、2次予選(東京、大阪)、本選(大阪)、最終ピアノ部門4名まで絞られ、残ると大阪のザ・シンフォニーホールでの新人コンサートに出演さ…

チェルニーやさしい20の練習曲より「17番」

チェルニー(以下ツェルニー)は分類としてはロマン派に位置します。・・・の、割にはツェルニーって、ロマンティックなメロディーの美しい曲って少ないです。 ただ、この17番は冒頭のcantabile(カンタービレ=歌うように)にも見られるように大変メロディ…

カワイ+スタインウェイ 2

(前回の続き)ピアノのオーバーホール、決断しました。 これはもう一大プロジェクトです。 今度の調律師さんの薦めで部品はスタインウェイのものを使うことに。弦はレスロー、ハンマーはレンナー、チューニングピンはディアマンテ製です。 その他もろもろ、…

カワイ+スタインウェイ

うちのピアノは、35年もののカワイGS30という機種です。 先代のヤマハのアップライトより付き合いは遥かに長く、 ピアノ人生をともに歩んできた大事なパートナーです。しばらく、いい音で鳴っていたのですが、30年近く弾いているとフェルト部分がへたって固…

同じ曲でもその子によって要求することをかえます

タイトルが長くなってしまいました。同じ曲を指導しても、 ある子は出来そうだから、もう一歩、踏み込んだところまで要求して出来るようになってから丸にします。 ある子はそれなりに弾けたら丸にします。それを、えこひいきと勘違いされたら、とても残念で…

小澤征爾さんの名言より

「自分が年とってきたからかもしれないけれど、 大事なものとか美しいもの、美しいと言ってもただ見て美しいのではなくて、 心に染みわたる美しさとか、心を打たれる美しさというのは、 少し悲しみの味がするのよ」小澤征爾さんの言葉です。私も、すごく共感…

ブルクミュラー「素直」

ブルクミュラー25の練習曲の最初の曲です。 挿し絵がついた子どもらしい導入教材を終えて、なんだか急に大人っぽい楽譜にレベルアップの気分です。最初の出逢いが肝心、いかにヤル気につなげるかの正念場なので、お手本は殊更こちらも本気で情感たっぷりに弾…

メルツェルの功績

メルツェルさんはメトロノームの発明者です。1816年にメトロノームの特許を取得したそうです。 彼のおかげで、作曲家はテンポの指定が容易になりました。演奏者はテンポをイメージしやすくなりました。メトロノーム登場以前は、楽譜に速度記号の指定があって…

猫とピアノ 2

人間の身近な動物として、猫は作曲家にも、さまざまなインスピレーションを与えています。今回は、猫を題材にしたピアノ曲をご紹介したいと思います。まず、子ども向けの作品から 平吉毅州さんの「踏まれた猫の逆襲」。 低学年のコンクールの課題曲になった…

エピソード「H(ハー)」

子どもの手がある程度離れたこともあって、勉強も兼ねて、数年前からクラシックの演奏会に行くことが増えました。クラシックの奏者ってなんだか堅物に見えて、真面目で冗談が通じないように思われがちなのですが、思わず笑っちゃったことをお話したいと思い…

音名のはなし

ハ長調の音階練習が出てくると小さい幼児さんでも、一通り、音名についてお話します。私→(楽譜の端に書き込みながら) 「いつも使っている“ドレミファソラシド”、実は日本の読み方じゃないんです。じゃあ、どこの国の読み方かというとイタリアの読み方なん…

オースティン「お人形の夢と目覚め」

発表会の大定番、女の子向けの愛らしくって素敵な曲、「お人形の夢と目覚め」を取り上げてお話したいと思います。オースティンは英語よみです。エステンの方がピンとくる人もいるかもしれません。「アルプスの夕映え」、「アルプスの鐘」などサロン風の曲を…

発達の最近接領域という概念

ヴィゴツキーという心理学者が提唱しました。20世紀初頭の人ですが、1980年代以降、再評価が著しくなっています。発達や学習が他者との関係なしには成立しないことを早くに主張した一人です。子どもの知的水準には二種類あり、1)独力でやり遂げることのでき…

やりきれなく思った出来事

ある日の体験レッスンにて。そのお子さんは、現在進行形で違う教室で習っており、進級を機に教室の見なおしのため、体験を希望されたとのことです。とある曲を弾いてくれました。ドレミファソまで1、2、3、4、5の指を つかって弾いてくれ、ソに続くラまでも5…

クレメンティ「ソナチネop.36―1」第1楽章

全音のソナチネアルバム1の7番にあたります。おそらく、ソナチネアルバムで一番最初にとりかかる曲だと思います。私は、この曲、オーケストラに聴こえてしょうがないんです。ハイドンの交響曲第94番に「驚愕」という有名な曲がありますが、その第2楽章がイメ…

ショパンの演奏哲学

ショパンには、未完成のピアノ奏法の草稿が残っているそうです。 そこでは、無意味に機械的な訓練を積んでも弾けない、指の姿勢が大事だと説いています。 今日は、その中から奏法に関してではなく、ショパンの演奏における思想を箇条書きで著したものを紹介…

猫とピアノ

私は大の猫好きでして、子どものころから家には猫がいました。 現在も我が家には9さいの黒猫さんがいます。猫とピアノってなんて絵になるんでしょう。 YouTubeなどでも鍵盤に乗っている猫の動画など、絶対観ちゃいます。 神聖なピアノになんてことを!けしか…

ベートーヴェン「エリーゼのために」2

先日のうんちく編に続きまして、今日は練習解説編をお送りしたいと思います。この曲はABACAのロンド形式ですね。 まずはA、明日はB、次にCと、ブロック分けして練習すると効率よく練習できます。8分の3拍子ですが、冒頭はアウフタクトであるというのを意識し…

譜めくりについて

最近は暗譜で演奏することは、めっきり少なくなりました。 連弾や伴奏はもちろん、ソロも暗譜が怖くてビビりながら弾いて演奏に支障が出るよりいいかな、と割り切って譜面を置くようになりました。 見た目より実(ジツ)をとるようにしました。話は逸れます…

100均の切れるおままごとフルーツ

私が勝手に命名しました。正式な商品名は知りません(汗)。 ダイソーでもセリアでもどちらでもあると思います。プラスチック製の、おもちゃのナイフでパカッと切れるリンゴだったり、オレンジだったり、レモンだったり。 切ったあとはマジックテープで元ど…

バイエル46番を考える

バイエル下巻に入ってまもなく学ぶ曲です。45番も大概苦労しますよ、その次の曲にしては、もうちょっと手加減してほしいなあ。そう、とても難しいのです。味気ないバイエルに少しでも華を添えよう、と、いもとようこさんの優しい挿し絵のGAKKEN のバイエルを…

楽語の訳の訳が要る件

楽語とは楽譜上に記された言葉です。 主にイタリア語ですが作曲者の母国語のときもあります。 作曲者(あるいは校訂者)が、こう演奏してほしいと指示したものです。速度、強弱、奏法に関係するものは、いいんです。説明しやすい、理解してもらえやすい。 曲…

ツェルニー30番より「5番」

全音の楽譜ですと1ページの曲です。やった、短い!ラッキー!と思いきや結構内容の濃い曲だと思います。 スキップしたくなるようなリズミカルな曲です。見た目に黒い(笑)。左は16分音符の3連符です。対して右は16分音符の付点ですね。ポイントはココ! う…

気軽に体験レッスン

初めましての体験レッスン、 上手くマッチングするか、お母さん、お子さん、そして私もキンチョーです。初めに教室の概要を説明します。 質問があればいただきます。そのあと、他所の教室から移ってくる子は、教材を見せてもらって、そこでやっていた曲を弾…

DVDいただきました

6月に院内コンサートに連弾で出演させていただいた演奏風景を、先方のご厚意でDVDにしてくださいました。 昨日届きました。 ありがとうございます。 ちょっと前のことのはずなのに、すでに懐かしく、ワクワクした気持ちで視聴いたしました。本番でやっちまっ…

パデレフスキの言葉

パデレフスキ、ポーランドのピアニスト兼作曲家でのちに大統領まで務めた異色の経歴を持ちます。20世紀初頭に活躍しました。彼の言葉に 「一日練習を怠ると私にはわかる。二日怠ると批評家はわかる。三日怠ると聴衆がわかる。」 というものがあります。高校…

ダ・カーポ後のリピート

記譜の反復記号としてリピート記号、ダ・カーポ、ダルセーニョなどがあります。作曲家の意図で書かれたものですから、本来は指示どおりに弾くべきです。試験やコンクールなどでは時間の都合上リピートを省略することも多いですね。 CDやプロの演奏会では、き…