tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

ショパンコンクール 15日古海行子さんの演奏

古海さんの演奏をライブで聴きました。
ロンドop.16、マズルカop.59とソナタ3番、シンプルで渋めなプログラム。

ロンドはよく知らないので楽譜を見ながら聴きました。
せつない序奏、ロンドに入ってからは小鳥が囀ずっているかのような軽やかな音の粒が際立つタッチ。
麗らかで優雅で爽やかな風が薫ってきそうな美しいロンドでした。

マズルカは華美に飾らない自然な音楽。
古海さんの演奏は品格がありますね。
それでいて3曲めの冒頭の激しい表現も効いている。
3曲がそつなくしっかりまとまった演奏でした。

ソナタ3番1楽章、丁寧で安定した誠実な演奏。音も綺麗で透明感があります。
受けを狙ったり個性を出してきたり、奇をてらっていない。
曲に対して真面目な印象を受けました。
2楽章、音のコロコロした粒が素敵でした。
3楽章、古海さんは強弱記号でいうところのピアノが美しい。
4楽章、突っ走らないコントロールされた確実な演奏。冷静ささえ感じます。

選曲もあるのかもしれないけど、派手さはないが、コツコツいい仕事をする職人のようなタイプに思えました。

演奏後のインタビューでは、普通の若い娘さんのようなおっとりとした話し方でお人柄も垣間見た気がします。

ここまで来たらもう皆さんそれぞれが素晴らしいです。