tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

ショパンコンクール 16日小林愛実さんの演奏

こんなにショパン漬けになったことないなあ、連日の贅沢な時間。
今日は小林愛実さんの演奏の感想を。

マズルカはop.30の4曲。
目を閉じて最適な1音めを奏する準備をしているのがわかりました。
1、2曲めは哀愁漂う澄んだ音色。
唯一の長調である3曲めは舞曲らしい揺らぎが心地よい演奏、緩急メリハリが効いて曲の面白さが存分に表現されて素敵でした。
4曲めも気まぐれな曲調、ディナーミクのコントラストが素晴らしかったです。
自然で納得のマズルカでした。
それにしても集中力の高さがビンビンに伝わってきます。

24のプレリュードはすべての調の基C durから。
これから始まる長くて短い24の道のりを暗示しているかのような明るく希望に満ちた演奏。
4曲めe mollはシンプルだからこそセンスが問われると思います。ポトンポトンと指を落とすような奏法で音の輪郭がくっきり美しかったです。
有名な7曲めA durは透き通った透明感ある音色。
続く8曲めは抑えたテンポ設定意外性があって面白いと思いました。
12曲め、良かった!好きな演奏。キレがあって良かったです。
18番から終わりまで息をするのを忘れてしまいそうなほどの空気、感動以外の何物でもなかったです。
柩に釘を打つことに例えられる最終音は身震いするほど。

珠玉の小品が集まった宝物みたいなプレリュード、あらためてショパンは天才だなと思いました。
多分ショパンが生きていたら今日の演奏に称賛を贈ったと思います。

拍手が鳴り止みませんでしたね、私も同じ気持ちでした。