tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

ショパンコンクール 14日角野隼斗さんの演奏

生意気にも演奏を聴いた感想を書いていきたいと思います。

予備予選から合わせて4回の彼のステージで一番聴かせる演奏のように思いました。

マズルカはop.24の4曲。
なめらかでしなやかで流暢なマズルカ、安心して聴いていられました。
せつなさで心が締め付けられるようなセンチメンタルな部分もあって素敵でした。

幻想ポロネーズはとても情感がこもっていて深さ奥行きが感じられる演奏。
角野さんは何を考えながら弾いているのかなあとふと思いました。
間合いがたっぷりとってあって時間芸術の妙味を感じました。
とても良い曲、しみじみと噛み締めて聴くことが出来ました。

ソナタ2番は1番好きな演奏でした。
集中力が素晴らしい1楽章、飽きさせませんでした。
2楽章は気がつけば鳥肌が立っていました。
生理的に反射的に、演奏の迫力から自然に出たもの。
3楽章の冒頭は鬼気迫るものがあった。
彼は命を削って弾いているのではと心配してしまうくらい。
天使の歌の部分は涙が出ました。
4楽章は3楽章の続きのようで不思議な妖しい魅力をたたえた演奏、素晴らしかったです。

スケルツォ3番は輝かしく硬度の高い演奏でした。

演奏後のインタビューもそのステージを経験しないと味わえない境地に立ったことご本人も語っていらっしゃいました。

このラウンドの演奏、本当に神がかっていました。