tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

ドビュッシー「月の光」

クロード・ドビュッシーは、フランス印象派を代表する作曲家の一人です。

絵画の一潮流として現れた印象主義の出現は、やがて音楽の分野に広がり、
150年続いた古典ロマン派音楽の終焉への歴史の転換点になりました。

全音音階、教会旋法、4度、5度、平行和音など、これまでの音楽の常識を塗り替えました。
また、調性によらない音楽も実現しました。

月の光は、そのドビュッシーの初期の作品。ベルガマスク組曲の第3曲です。
上記の前衛的な手法というよりは、そこまで難解でなく、印象派の苦手な人にも馴染みやすい曲になっています。

実に絵画ちっくです。
ぼんやりした月あかりに照らされた夜の情景が目に浮かびます。

内面的な感情表現でなく、より視覚的に表現されていると言えます。

27小節めからの左、何かのうねりを感じさせます。
夜の海?波を表現しているのかもしれませんね。
水面に映る月の、波との戯れといったところでしょうか。

個人的な私の意見ですが・・・
「月が綺麗ですね」が、
夏目漱石によるアイラブユーの(日本男児における)日本語訳であったことを
思い起こさせます。

ベルガマスク組曲ドビュッシーの意中の人、ヴァニエ夫人に献呈されたことから、
国を越えて、月夜のロマンチックさが愛の表現に通ずるものがあるのでは、と思います。