生徒さん練習中のこの曲、さらに深堀りするため、
私だったらどう弾くか今日のベーゼンの弾きこみで弾いてみました。
事細かにテヌートが使われていますが、これはアクセントではないが大事な音と捉えるべきでしょう。
アクセント的なテヌート記号(<―>)もありますがどぎつい音ではなさそう。
あくまでもフレーズの始まりと終わりを弧を描くように弾くのが基本に感じます。「波の」アラベスクですからね。
寄せては返すの繰り返しのような、そんな意識を常に持っていると良いと思います。流れの中にメロディーが在るという感じ。
27小節め右の#ソーソレーの呼応に28小節めの左#ファーファドーがあること、どちらがメロディーと決まっている曲ではありませんから、わかって弾くのとぼんやり弾くのとでは大違いですね。
39小節めフォルテフォルテッシモはフォルテの最上級ともいうべき表現ですね。ここからは一気に潮が引いていくかのごとくディミヌエンドしていきます。ピアニシモに向けて。
一番の山場ですね。
44小節めからはなんだか弾きにくいところ、テンポが滞らないように、手の都合の音楽にならないように気を付けたい。
52小節めと54小節めのタイで表している意味は?
三善先生はこの和音に包含するように左からやってくる音階を弾いてほしかったのでしょう。
同じような記譜法に最後の2音がありますね。
左のバスのシに内包するようなかたちでの最後の和音だと思います。
余韻を見込んで、ペダルと残音のバランスを計算して弾くとパーフェクトですね。
自分だったらこう仕上げるかな、と、弾いてみて良くわかりました。指導に生かせそうです。