私がついている先生はコレペティトール(オペラのピアニスト)でいらして、ピアニストの中でも歌をよく知っていらっしゃいます。
だからか、ピアノの弱点である音の減衰(時間とともに音が小さくなってしまう)について、よく話されます。
私も管弦楽器だったら、歌だったら、ここ、音を保持しながらクレッシェンドするのに、とピアノの表現上のもどかしさを感じます。
今日は、練習中の「恋の二重唱」と副題のつくショパンエチュードop.25―7を歌いながら弾いてみました。
減衰を加味して間延びしないように少し前へいくイメージで弾きました。
冒頭男声に続いて女声がカノンのように同じ旋律を歌います。
声楽の二重唱を指導するならどちらにウェイトがあるだろう。
どちらの歌詞?セリフ?がより重要であろうか、逆にいえばどちらがハモりの部分であるだろうか
考えながら片手と歌、両手と歌でさらいました。
歌いながら弾くと
ここはピアノであれば減衰するところ、歌だったらクレッシェンドしたいなという箇所がやっぱり出てきます。
どうしたら歌のイメージで、フォルテフォルテッシモ(フォルテ3つ!)のレガート感を表現できるか
難しい、納得のいく演奏ができません。
二重唱であると認識したら、この曲の奥行き、奥深さに唸らされてしまいました。
この曲を弾くために、声楽の男声と女声の二重唱を聴くと勉強になりそう。
難しい。
テクニックは簡単な部類、さほどでもないのだけれど、知れば知るほど難しさを感じるのです。
ピアノの個体差によっても随分違う。
普段よく弾くベーゼンドルファーとカワイ(スタインウェイ部品にオーバーホール済み)でも趣きが変わってくる。
取り組みがいあるなあ。