tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

8月の曲

チャイコフスキー作曲「四季」より今月の曲は「とり入れ」です。

ロ短調、8分の6拍子。

まず、私の好みです。
シューマンを感じさせるのはなんでだろう。
これ、きちんと弾こうと思うと難易度高いのではないかな。

四季の中の他の曲と違って規模も大きい。
焦燥感を感じさせるテーマ、挿入句的に入るバスのメロディーは拍を裏切り、それがとても魅力的です。

いつものように添えられた詩を紹介しますと

「今 男も女も子どもも 茎がそんなにも高くのびた穀物を刈っている/それらを束にして村に運んで行く/そして一晩中車のきしむ音がきこえる・・・」
〈コルツォフ詩〉

この車とは何を指すのか。
当時、ヨーロッパでは自動車の黎明期、高価なものであったから、ロシアの農村にはなかったのではないかと思います。馬車か人力かといったところでしょうか。

前述したとおり、拍は8分の6拍子だったり4分の3拍子ふうになったり。
単純でないところに、割りきれない音楽の奥行きがあって勉強になりそう。

次から次へと絶え間なくやってくる旋律、音楽に追いかけられているみたい。
中間部の歌はドルチェカンタービレ、甘く朗らかな歌。女声と男声が呼応していて、会話しているよう。

三部形式ですが、小さなロンド形式としても見れそうです。

あまりスポットライトの当たらない曲だけど、よく出来ています。
夏の短いロシアの、一足早い収穫の秋の訪れを予感したような曲です。

令和の日本では夏が始まったばかりなんですけどね、、それにしても今年は梅雨が長かったですね、、