昨日は父の法要がありました。実家でなくお寺の本堂を会場にしての法要でした。
事前に住職さんから、音楽をされているのだったら本堂に珍しいピアノがあるから、法要の合間の休憩時間で弾いてお父さんに聴かせてあげるといいよと言われていました。
ピアノはベヒシュタインのアプライトピアノ。本当に本堂にピアノがある!
お寺は保育園も併設していて、コロナ前は本堂でお泊まり保育の行事をしたりきっとピアノも活躍の場があったのでしょう。この日は扉に隠れていましたがステージもあるそうです。お寺でのコンサートなども聴きますものね。
本堂は響きが良く、ピアノの鳴りも良く、とても気持ち良く弾かせていただきました。
ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を弾きました。この間のストリートピアノはこのための指ならしでもありました。
この曲は特定の王女を偲ぶ曲として書かれたのではなく、昔存在していた王女が踊るパヴァーヌ(舞踏)を思い出す一種のノスタルジアを表現した曲だそう。なので深刻な葬送の曲でもなく、悲しい鎮魂歌でもなく、もう少し軽いイメージ。わりと淡々と弾くのがラヴェルの意図に沿っているかなとそんな思いを音にしました。
父が亡くなった直後と違い、日にちを経て、少し落ち着いた今の心境と重なるところがあります。
住職さんによると、華道の家元さんの法要では仏花としてお花を生けたり、うちでいうとピアノ音楽を添えたりと、その家らしさを出した法要も時々あるとのこと。
そういえば私の出身音大も仏教系なんでした!と、30年も前の話、すっかり忘れていたけどそんなお話もさせていただきました。
お寺ピアノ、父がいないのが変な感じだけどどこかの空で聴いてくれているといいなと思います。