私の勝手な感想です。
全体的に、彼独特の持ち味である個性や独自性を抑えた演奏のように感じました。
聴衆に刺さる演奏というよりは、多くの審査員の票を集めやすい堅実な解釈を意図したのではないかなと感じました。
マズルカはop56の3曲。
なんとも言えない味わい深いマズルカ。美しい音色でロマンティックで、マズルカマズルカしてなくて付点のするどさは控えめな印象。
ソナタは2番。
1楽章は重厚感を全面に出し過ぎず、バランス良いように思いました。
2楽章もあまりクセやアクがなく安定感あるスッキリとした構成だと思いました。
葬送行進曲はドゥアーになったところがたまらなく素敵でした。
左のピアニッシモが絶妙でここの美しさを存分に味あわせてくれました。
4楽章も良かった、ただ弾いているだけになりがちな無窮動を音楽的な色付けがされていて私は好きです。
ラルゴをはさんでの英雄ポロネーズ。
ワンクッション置くことでプログラム的な狙いがあると思います、効を奏したと思いました。
さすがです。プログラムの組み立ても良いと思いました。
演奏後のインタビューで伝えたいことは伝えられた、やりたいことはできなかった、と話されていました。
私は次も聴きたいなと思います。
次にやりたいことをやってほしいと思いました。