三次予選です。進藤さんの演奏に思ったことを書かせていただこうと思います。
マズルカはop.17の4曲。
出だしから集中力がすごいなあと思いました。
細かいテンポの揺らぎ、機微が感じられるとても舞曲らしいマズルカです。
どなたかの、前回の入賞者ケイトリュウさんに雰囲気が似ているという声を聞いたような(聞いてないような)、ともかく進藤さんも憑依型だと思いました。
ずば抜けた集中力、自分の中に降りてきた音楽をただ真摯に表に出している、いい意味でイタコのようなそんな気がしました。
マズルカ風ロンドは生き生きとしたフレッシュな演奏、何か祝福を受けているようなそんな印象さえ感じました。
音に関して自然で変なクセがなく、ショパンらしくってセンスが良い。
アンチが少ないんじゃないかな。
それって大事なことだと思います。
ソナタ3番、かっちりした1楽章は落ち着いたテンポ設定。
出だしから鋭くなく、インパクトとか目を引こうとかそういうののない音楽に忠実な感じ。
ショパンとは?という問いの答えに最も近いような気がします。
お客さまを楽しませてナンボのエンタメ側ではないということ。
4楽章もまさにそれ、勢い激しく始めるのでなくあくまで音楽的なフォルテ。
コンサートではない、ショパンを究めるコンクールであると思えばそれが正解なのかもしれないと思いました。
とても深く考えさせられた良い演奏でした。