8月ということで「子供の情景」第8曲めです。
8曲めは「炉端で」です(←季節に反していますが気にしないでください)。
ここでいう炉端とは暖炉のこと。
ところで前曲「トロイメライ」の始まりを思い出してください。
ヘ長調、ドファーミ・・でしたね。
この「炉端で」もヘ長調、ドファーミ・・始まりなんですね。
シューマンは明らかに意図して書いたのでしょう。
曲同士が姉妹のような関係なのでしょうか、気になりますね。
さてこの曲は三部形式ABA'+コーダというかたちと見ることができると思います。
そして4小節のフレーズをまたそっくり繰り返しのような作りになっています。
言葉を覚えたばかりの小さい子が、親の投げかけをそのまま真似するみたいで、なんだか微笑ましいです。
A'の始まりはBのラストと被っているのでオクターブ下から始まり、直にもとの高さへ上がるところも面白いですね。
弾きかたについて、和声の関係上、左右の手が逆転している箇所がありますが、遠慮せず弾きやすい手でとりましょう。
無理はナンセンス、合理的でいいと思います。
暖かくって幸せな家族の情景が思い浮かぶような優しい曲です。
ぜひ弾いてみてくださいね。