今回で4回めの西洋音楽史の講義、テーマはグレゴリオ聖歌です。
以下まとめ。
グレゴリオ聖歌とはカトリック教会で歌われる無伴奏のラテン語単旋律聖歌である。教皇グレゴリウス1世に由来、定着したのは8世紀ごろ。
フランク王国の支配強固の目的で典礼において重要な役割の聖歌の統一のため西ヨーロッパに広まった。
聖歌を紙に書き留める必要性からネウマ譜が登場。水平線を引き音の高低を示す。
8つの教会旋法(ギリシャの旋法とは異なる)が用いられる→ドリア、ヒポドリア、フリジア、ヒポフリジア、リディア、ヒポリディア、ミクソリディア、ヒポミクソリディア。
グレゴリオ聖歌は変化していく。
トロープス=歌詞や旋律の付加
メリスマ=1つの音節を伸ばしながら複数の音符を歌うこと
セクエンツァ=ミサで用いられる聖歌の一種、聖書に由来しない歌詞のもの
多声化も早くから行われた。複数声部で歌うことをオルガヌムという。付加された声部は聖歌旋律に平行を保って進む。
13世紀半ばノートルダム楽派のオルガヌムではモード・リズムが導入(第1モード~第6モード)され、キビキビ歌うディスカントゥス様式(⇔オルガヌム様式)が人気になってゆく。
ディスカントゥス様式が独立してモテットが派生、世俗化(ジョングルール、ゴリアードなど吟遊詩人の存在が担う)。
モテットによりリズムの記譜の詳細が必要となり定量記譜法が用いられるようになる(後世の五線譜に至る)。
14世紀、マショーはアイソリズムの技法を用いて聖俗のモテットを多数残した。
感想としまして
この時代になると記譜法が確立して当時の音楽の様子が現在でも聴けるようになり、より身近になってきたなあという感じました。
グレゴリオ聖歌を聴くと不思議ななんとも言えない気持ちになりますね。
次回はルネサンス音楽です。