今日は「西洋音楽史」第3回め、第1回第2回に引き続き、まとめと感想を書いていきたいと思います。
古代ギリシャ人は月や星など天体が運行に伴って音楽を奏でていると考えていた。(聞こえない音楽)
ピタゴラス派は天体の調和的運行が数という原理で説明でき、調和的音階が比という原理で説明できるとした。
医術によって身体の浄化をおこない、音楽によって魂の浄化をおこなった。(このときの音楽とは聞こえる音楽)
プラトンは「ティーマイオス」で宇宙における天体の配置を音階の各音に重ね合わせ、存在論的な次元まで深化させた。
後2世紀には天動説の完成者プトレマイオスが最も体系的にまとめた。
ポエーテイウスは3つの音楽(宇宙の音楽、人間の音楽、道具の音楽)を提示、ギリシャの音楽理論を中世へ橋渡しした。なお、聞こえる音楽は3つの中で道具の音楽のみ、声楽もここに含まれる。
プトレマイオスから1500年を経て地動説の完成者ケプラーに引き継がれる。
彼は地球の公転の速度差の比は半音差に等しいことを見立てる。
他にも太陽系第6惑星のポリフォニーを1つの曲になぞらえ、終末に向かう世界の歴史に重ねたりしている。
宇宙の音楽という観念はその後もシュトラウスのワルツ「天体の響きop.235」や、ヒンデミットのオペラ「世界の調和」などにつながった。
以上が簡単なまとめでした。
考察として私の感想を述べますと、
宇宙と音楽を結びつけて考える、そしてそれが理論的にも合致するという、古代ギリシャ人の着眼点が鋭いなと思いました。
次回、第4回はやっとグレゴリオ聖歌についてです。