今日取り上げます「アラベスク・センチメンタル」、全音では「ピアノピース・コレクション1」に収録されています。
難しいテクニックはいらないのに、流れるような美しい曲です。
ペダルもふんだんに使い、ピアニズムのいいところを全面に感じられる素敵な曲です。
息子が小さいときにこの曲を外部の先生のレッスンで見ていただきました。
その先生はリトミックを専門とされているのでとても面白いレッスンをしてくださいました。
曲に合わせてボールをつくのです。
三拍子の感覚を養うためのものでした。
タイミングよくボールをつかないとぎこちない音楽になってしまいます。
一方、この楽譜の冒頭、「はじめに」という解説で
「ギロックは自分の基礎で欠けていたのは“耳のトレーニング”と音符の長さより”リズムを拍子にどう乗せていくか“だと知りました。
子供は初めからダンスのビートを感じない限り、死ぬまで駄目でしょう。(中略)リズムとダンスビートの関係が解らない限り音楽はできません。」
と、あります。
つまり長さを正確に伸ばす、では音楽に足りないのです。
息子を教えてくださった先生はそれがねらいだったのかなと思います。
先生の演奏するアラベスク・センチメンタルにひとしきりボールをついたあと、再び演奏すると、息子は自然な音楽を紡げるようになりました。
音符どおりに弾けているのだけど何か足りないと思ったら、ボールつき、やってみるといいですよ。
私はリトミックの勉強を少しばかりかじりましたが、実際のレッスンでは生かすにいたってないなあ、、上手く取り入れたら無限の可能性があると思いました。