tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲より第18変奏」

ラフマニノフパガニーニの主題による狂詩曲といえば、コンチェルトのスタイルで書かれていますね。合わせて変奏曲の形式になっています。
大変魅力的な曲です。

その中でもこの第18変奏はよくピックアップされ、映画などでも使用され耳にすることが多いです。
もう、この世のあらゆるものの中で最も美しい曲です。

一見、変奏曲と言いながらテーマとかけ離れているメロディーでは?と思われるかもしれませんが、テーマを反転させているのですね。
反転させてなお美しいメロディー、パガニーニが天才なのかラフマニノフが天才なのか、なんだかこの世に遺してくれてありがとうとしか言いようがありません、、

コンチェルトはなかなか取っつきにくく、一人ではその本質を楽しみにくい、ということで、その編曲版を紹介したいと思います。

ラフマニノフは18変奏の独奏版を遺していなくって、
安価で手に入りやすい良い編曲に、全音楽譜出版社の「ラフマニノフピアノ小品集」があります。
ヴォカリーズの編曲バージョンも収録されていてお得感あります。

編曲は平井丈二郞さん、
ピアノレスナーには「幻想曲さくらさくら」でおなじみ、平井康三郎さんの息子さんです。

ラフマニノフの世界観に忠実でコンチェルトのように音楽に厚みがあって、とても良いです。
なんといっても三連符ベースに入る3拍めの16分音符がエモいですよね!
右の16分音符と左の三連符のこのズレがたまらない、割り切れないゆえの美しさ!

同じような音型の繰り返しではあるのだけれど、少しずつじわじわとうねりのようにクライマックスへ持っていくのがいいですね。

編曲ものは軽んじられることが多いけど、これは地位を確立していってほしいなあ。

聴いても弾いても素敵ですよ、ぜひ。