今日、取り上げたのはこの曲、悲愴の第2楽章です。
そう、あの、のだめの弾くこの曲に千秋がこれじゃ「悲愴」でなく「悲惨」だなと言わしめた曲。
いやデタラメだけじゃない、と、その音楽性に惹かれて、練習室に駆けつけるも、その弾き主は見当たらずってやつです。
この曲は単独で弾かれることも多く、アンコールピースとしても良く聴きます。
私も大好きな曲。
声部に分かれていて立体的な音楽ですね。
緩徐楽章なので速くはないけど仕上げるには音楽的センスを要します、奥行きのある曲です。
私は、右の内声は指の腹の柔らかい部分で、上のメロディーはちょっと指を立てて固めに弾きます。
優しい中にも芯を感じさせる音を出したいのです。
また、きっかりテンポどおりではなく、微妙な揺れも作りたい。
ベートーヴェンは古典派に位置しますが、後期はロマン派に少しかかっています。
この曲は後期の作品ではないけどロマンチックに弾きたいなあ。
それだけほんの数ページの中に素敵が凝縮されたような曲です。
それこそプロからアマチュアまであらゆるピアニストが弾いていますから聴き比べするのも楽しい。
私はやっぱりチョソンジンくんの浜松のコンサートで聴いた「悲愴」全楽章の一連の流れが忘れられないなあ。
単独で弾くこの曲と全楽章の中で聴くこの曲では、趣きが違うんですよね。
ベートーヴェンは全楽章を通して弾くことを念頭に作ったのですから当たり前なのですが。
今日はこの曲に対する思い入れを熱く語ってしまいました。
コロナさえなければ、せっかくのベートーヴェンイヤー、あちこちで盛り上がっただろうにな、少し残念です。