これから本格的に夏へと向かいますが、今日は耳から涼しくなっていただこうと涼しげな曲をご紹介したいと思います。
数ある候補の中から、今回は、リストの「巡礼の年第3年より“エステ荘の噴水”」です。
リストは、ピアニストとして若いころは女性ファンを虜にし、浮き名も流しましたが、年をとってからは僧籍に入り、禁欲的で宗教的な性格が強くなってきました。
「巡礼の年」と名付けられた一連の作品の中から、この「エステ荘の噴水」もそうで、曲の中頃には
「私が差し出した水は人の中で湧き出でる泉となり、永遠の命となるであろう」というヨハネ福音書からの引用が書かれています。
華やかなアルペジオがゴージャスで水量の多い噴水なのでは、と想像させますね。
少なくとも、ちょろちょろした水ではなさそう。
優雅で爽やかで清涼感バッチリ!
私も20代の頃弾きましたが、弾いてて楽しかった!飽きなかったです。
夏に弾いたからか(?)弾いたあとはスカッと爽快、気持ちよかった!
後半迫りくる怒濤のアルペジオの連続は演奏効果抜群、弾く人聴いている人すべてを魅了させます。
また、ドビュッシーやラヴェルに大いなる影響を与えた作品であると言えます。実に印象派の絵画を見ているかのよう。
エステ荘は、ローマに程近いティヴォリにある城館で、この第3年には同じくエステ荘に関連する曲が他にも2曲あります。
一度訪れてみたいものです。
水にまつわる曲は数あれど、私のイチオシです。
ぜひ聴いてみてくださいね。