今日、このテーマで取り上げますのは、シューマン「こどものためのアルバムop.68より“思い出”」です。
イ長調、冒頭に「速くなく、たっぷり歌うように演奏すること」とあります。
こどものために書かれた作品集に収録されているのですが、
バカにしてはいけません。
決して、子ども向け、子どもだましではなく、大人が聴いても弾いても味わい深い。
心の中に明かりが灯りそうな優しい気持ちを取り戻させてくれる一曲です。
シューマンと親しい友人であった“メンデルスゾーンの命日に”と副題がついています。
死んだあとも、このような美しい曲を友に書いてもらって思い出してもらえるなんて、なんて友人冥利に尽きるのでしょう。
この曲集は、もともとはシューマンが長女マリーに誕生日のプレゼントとして贈ったものが発端だそう。
ちなみにメンデルスゾーンは、マリーの名付け親でもあったそうです。
メンデルスゾーンの無言歌風の優しい歌曲のような旋律、
ちょっとした経験者でしたら弾けると思います。
ブルクミュラー好きな方なら、絶対ハマります。
私の、こどものためのアルバムの中で好きな曲ベスト3に入るな。
聴くだけでも、心のトゲトゲがまあるくなって、本来の優しい自分を取り戻せますよ。
大切な誰かの命日に聴いて、故人との思い出を偲ぶのも良いと思います。