毎月の恒例であります5月の曲のご紹介、チャイコフスキーの「四季」より5月は「五月の夜」です。
現在の暦では、白夜は6月ですが、ロシアの古い暦では5月に相当するようです。
そう、白夜をテーマにした曲なんです。珍しいですよね!
日本では体験することのできない白夜。文字どおり薄暗い時間がほんの少しあるだけで暗闇のない夜。
日本人からすれば、なんだか不思議な風景に思えます。
例のごとく、短い詩が添えられています。
「何という夜!何という恍惚!
私の真夜中の国 お前に感謝する
何と新鮮で澄んでいることだろう
この五月のさわやかさは!」
(フィエート詩)
曲は8分の9拍子、ト長調。
ロシアの最もよい季節において、込み上げてくる幸福感、が感じられます。アルペジオが美しいです。
対照的な中間部、拍子もテンポも調もガラッと性格が変わります。切り替えが大事、パリッと弾きたいですね。
元のメロディーがやってくると、また穏やかな更けない夜の情景が広がり、静かに閉じます。
今更ながら言いますけど、、チャイコフスキーの四季はどれも優しいです。温かみを感じるのは私だけかな??