チャイコフスキー作曲「四季op.37a」より、4月は「松雪草」です。
前にも記事に書いたこともあるとおり、四季では各月にテーマとなる詩を持っています。
この「松雪草」はマイコフの以下の詩が充てられています。
「明るい光がつもった雪を通して
かすかに光り こんなに青く清らかな
松雪草が輝いている
古い運命への涙の最後
そして幸福の夢への 最初のあこがれ」
寒い国の人々にとって松雪草は春の訪れの象徴なのでしょうか、
花言葉を調べると「希望」「慰め」、
またスノードロップという別名があります。
スズランに似た白くて可憐な花です。
楽園を追放されたアダムとイブを憐れんだ天使が、舞い落ちる雪をスノードロップの花にかえ、「もうすぐ春が来るから絶望してはいけませんよ」と慰めたという言い伝えもあるとか。
素敵ですね。
さて、曲はといえば、変ロ長調、穏やかな無言歌風の曲です。
中間部は短調に転調し、焦燥感に似た少し動きのある曲調、また最初のメロディーがやってくる三部形式になっています。
同じようなフレーズが何度も出てきますから、少し変化をつけて弾くと良いでしょう。
ダイナミクスやルバートで手ごころを加えましょう。
派手さはないですが、ほんのり暖かくしてくれる曲です。