楽語において
ritn.(リテヌート)も、rit.(リタルダンド)も、rall.(ラレンタンド)も
なんだかよく似ていて、ほとんど一緒の意味にとらえている方多いと思います。
どれも「だんだん遅く」で認識しているのではないでしょうか?
ちゃんと調べてみたところ
ニュアンスが少しずつ違うことがわかりました。
まずはritn.(リテヌート)、
これは明らかに他2つと違います。
「だんだん」遅くではなく、「ただちに」遅くという意味合いなんです。
a tempo(ア・テンポ=もとの速さに戻す)までが短いときに多く使われますね。
そして、
rit.(リタルダンド)とrall.(ラレンタンド)の違いとは。
日本語訳だとどちらもだんだん遅くで良いのですが、もともとの語源が違うようです。
rit.は「時間に遅れる、予定が遅れる」という意味があります。
それに対しrall.は「徐々に速度を落とす、意図的に遅らせる」という意味があるそう。
自然発生的な遅れなのか、故意なのかで使い分けているのでしょうか?
作曲家の楽語のチョイスの裏側を汲み取らなければなりませんね。
どれもブルクミュラー25の練習曲でよく出てきます。
使い分けのその隠された部分にフォーカスしてみると、また違った気持ちで表現できるかもしれません。