tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

ritn.とrit.とrall.

楽語において
ritn.(リテヌート)も、rit.(リタルダンド)も、rall.(ラレンタンド)も
なんだかよく似ていて、ほとんど一緒の意味にとらえている方多いと思います。

どれも「だんだん遅く」で認識しているのではないでしょうか?

ちゃんと調べてみたところ
ニュアンスが少しずつ違うことがわかりました。

まずはritn.(リテヌート)、
これは明らかに他2つと違います。
「だんだん」遅くではなく、「ただちに」遅くという意味合いなんです。
a tempo(ア・テンポ=もとの速さに戻す)までが短いときに多く使われますね。

そして、
rit.(リタルダンド)とrall.(ラレンタンド)の違いとは。

日本語訳だとどちらもだんだん遅くで良いのですが、もともとの語源が違うようです。

rit.は「時間に遅れる、予定が遅れる」という意味があります。
それに対しrall.は「徐々に速度を落とす、意図的に遅らせる」という意味があるそう。

自然発生的な遅れなのか、故意なのかで使い分けているのでしょうか?
作曲家の楽語のチョイスの裏側を汲み取らなければなりませんね。

どれもブルクミュラー25の練習曲でよく出てきます。
使い分けのその隠された部分にフォーカスしてみると、また違った気持ちで表現できるかもしれません。