今年はベートーヴェン生誕250年、
今日、紹介するのはベートーヴェン「ソナタ第21番op.53“ワルトシュタイン”」です。
なぜこの曲を選曲したかというと、元気になるきっかけになればいいなあと思ったからです。
ネットにはたくさん明るい気分になる曲、元気になる曲紹介してありますが、案外ワルトシュタインは挙げられていないです。
全3楽章、どれも長調で、どんより沈んだり深刻になったりする部分はありません。
とりわけ1楽章は、冒頭からのずんずんずんずん迫ってくる和音の連打のクレッシェンドが
「何、暗い顔してんだよ、元気出して行こうぜ」って励ましてくれます。
ベートーヴェン作曲当時、
エラールのピアノを手に入れ、これまで不可能だった高速の連打や広い音域が可能になったというのも作曲のいきさつであったと言われています。
希望に満ちた曲調であるのは、ベートーヴェンのピアノの新時代に向けて創作意欲そそられる前向きな気持ちが表されたのかな。
難聴による失望で遺書を書いたあととは思えないです。
また、2楽章と3楽章は1曲のように連続して弾かれるのですが、
3楽章のあたかも太陽の光がふりそそぐ夜明けのような入りは、鳥肌が立ちますよ!
フランスやロシアではこの第3楽章の曲の性格から「暁のソナタ」と呼ばれているとか。
聴力を失った苦難を乗り越えようとしたベートーヴェンだからこそ、生きる活力をくれる曲です。
こんな時だからこそ聴いてくださると嬉しいです。