チャイコフスキー「四季op.37a」より3月は「ひばりの歌」です。
チャイコフスキーは、ロシアの人々の自然や生活を、一年を通して小さな詩にのせて音楽にしたためました。
「ひばりの歌」が、どの詩をモチーフにしたかというと、マイコフの
「野原は花のさざなみに揺れ
空には光の波が流れ
春のひばりたちの歌声は
果てなき青さに満ちる」です。
この詩、うららかな春を謳歌するひばりたちの歓びが伝わってくるようです。
と、詩から想像するに明るい曲なのかなあと思うでしょう?
ところがト短調ゆっくり、
右手が交差しながら高音で低音でテーマを歌いますが、私には低音、ドスが効いているように聴こえるんです、、
春って何?春が来たって嘘?
春は名ばかりって感じ?
ピウモッソの中間部分、ひばりの鳴き声を装飾音が表しますが、これも物悲しさ感否めない。
対比を出すため展開させて中間部は長調になるのかと思いきや、短調のままなんです。
ひばりの鳴き声が空虚でしかない感じ。
そして冒頭の重く暗い旋律が戻って閉じます。
ロシアでは、3月なんて、まだ春ではないのでしょう。
12の月を一連のまとまりで見ていくと、こんな曲調も、バランスとしてときにはあるのだろうけど。
どんよりダークグレーの色彩の曲です。
今のご時世をあらわしてるかのよう。
はやく(コロナによる)自粛ムードが解消されて、春を満喫したいですね。