今日は、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」のご紹介です。
この曲は、なんかキュンとせつなくなるような郷愁を思わせるような優しい曲です。
時折聴きたくなります。
この曲、特定の王女に宛てたものではないようです。
スペインにおける風習や情緒に対するノスタルジアを表現したものであるそう。
ト長調って、少し尖っているというか深刻になりすぎないキラキラした調だと思うのですが、
それが瑞々しさを感じさせます。
実在するわけでないのだけど、この王女、若くして亡くなったのかなと想像します。
しかし、曲として聴く分には、とても心地よいのですが、こと弾くとなると思ったより楽ではないんです、、
4ページのゆったりした曲、なんなら初見でいけそうな印象なのですが、ラヴェル特有の楽譜の書き方が読みにくいのです。
声部を意識して、和音の棒の向きにこだわりがあるから、同時に弾くのかどうかがわかりづらい。(本来、楽譜は拍に合わせて縦に揃えてあるけど、ずれて見えるんです)
連桁(音符をつなぐ横線)が拍を無視してつながっているので、これまた見にくい。おそらくこれもラヴェルのこだわりなのでしょう。
ちょっぴりピアニスト泣かせなんです。
ラヴェルの表したいこともわかるんですけどね。
ちょっとした裏話でした。
聴く分には癒されます。キュンキュンしますよ。ぜひ聴いてくださいね。
オーケストラ版もあります。お好みでどうぞ。