1月の曲、チャイコフスキーの四季より「炉端にて」です。
チャイコフスキーは音楽雑誌の依頼で、連載で1~12月の曲を作曲しました。
その1曲めです。
この曲は4分の3拍子、イ長調、ABAの三部形式。
プーシキンの詩
「夜が薄明かりのうちに静かな喜びの一隅をつつむいろりの火は小さくなり、ろうそくは溶けてしまった」
を標題とします。
三部形式のAにあたる部分、
いつまでたっても主和音で解決せず落ち着かなく、ちょっとうずうずしてしまいます。
イ長調のはずですが、Dis(レのシャープ)もよく出てきてホ長調のニュアンスも感じます。
さしずめ、炉端でとりとめのない会話でもしているのかな?話が完結せずつらつら続いているのかな?と妄想が膨らみます。
Bにあたる部分はホ短調。
特徴的なミーレドシ♯ラが多用されます。
チャイコフスキーはこのモチーフに何を投影したのでしょう。
不安をあおります。
そしてA。
また炉端の暖かい団らんが戻ってきました。
Bで出てきた「不安」もよぎりますが
最後は、いろりやろうそくの火は小さくなり、その火は天に昇って、星になりました(→PPPピアノピアニッシモ、すごく弱く)。
星のくだり、これは私の解釈です。ちょっと童話ちっくで素敵じゃないですか?