今日は音楽之友社の「こどものピアノ曲」から「エチュード・アレグロ」をご紹介したいと思います。
この曲集、あとがきを見れば、作曲のきっかけが中田喜直さんのご友人のピアノの先生からのリクエストだそう、
子どもの弾く日本人作曲のものが少ないことが残念だというお話からの依頼のようです。
第1刷発行が1956年とありますから、戦後10年ほどして、の頃。
なるほど日本人作曲家における西洋音楽の古典ともいうべき、歴史がありますね。
私がこの曲をピックアップした理由、速弾きしたい子にはたまらない、カッコ良さ!
先生としては指が転ばないように、速さを追求するよりも粒の美しさ、音楽性を優先したいのだけど
ある時期の子どもは、速く動く指をもて余して、速弾きしたくてたまらないんですよね。
思い当たる人も多いのではないでしょうか。
この曲はハ長調、いやらしい指づかいもなく、素直な作り。見た目より譜読みは楽です。
その名のごとく、速く弾く練習曲ですから、どうぞ速弾きしてください、な曲。
面白いようにスピード、出ます。
多分、子どもの頃の私がこの曲に出合っていたら歓喜して弾いたと思います(笑)
中間部分に調をかえて、歌うべきメロディアスな部分もあり、教育的配慮もバッチリ、構成としても申し分ないです。
そしてラストの子ども心を鷲掴みするグリッサンドです!
発表会で弾いたらヒーロー、ヒロインになれること間違いなしでしょう。
ブルクミュラー程度で弾けると思います。
発表会の候補曲にぜひ!