音楽家の師、弟子関係の系譜は、その歴史を辿っていくと面白いものがあります。
現在、大分意識は薄らいできましたが、音楽を学ぶ者が、一度、師と仰いだら、それは家族以上の関係でした。
私が小さい頃も、誰々先生門下だとか、生徒さんと言わずお弟子さんと呼ぶとか、その名残がありました。
前置きはさておき、
音楽の父、J.S.バッハの系譜を紐解いてみましょう。
息子たちも音楽に長けており、次男のカールフィリップエマニエルバッハや末息子のヨハンクリスチャンバッハなどに受け継がれました。
カールからは(←テレマンからも教えを受けた)ハイドン、ベートーヴェンに受け継がれ、そのあとは、お馴染み、ツェルニー、リストへと続きます。
(一方、クリスチャンからはモーツァルトへと繋がっていきます。)
リストからの系譜は、現在のピアニストにも、脈々と受け継がれています。
それは、もうその弟子から弟子へ、枝分かれし、リストの息がかかったピアニストは数多くいます。
有名どころでは、バックハウス(孫弟子に当たる)や、ルービンシュタイン、ケンプも、その血筋(もちろん血統でなく、一門、系統という意味で)であるそうです。
ベートーヴェン弾きやリスト弾きとしてピアニストが有名である背景には、ルーツとして、その作曲家に繋がることがあるんですね。
そういった視点でピアニストに着目して、聴いてみるのも面白いと思います。