昨日の記事に関連しまして今日もお花にまつわる曲です。
この曲も大好き、っていうか、この曲集すべて好き。
シューマンは大曲よりも、小曲を細々集めた小曲集のが実は優れているような気がします。
なんていうと、評論家に怒られるでしょうか(汗)、あくまで私個人の意見です。
この曲は名も知らない道端のお花、群生しているのでなく、2、3輪が寂しげに咲いている様子が目に浮かびます。
野の花が、風に吹かれて、隣りのお花とごっつんこ、とぶつかるのが2度の音程で表されていますね。
不協和なところがなんとも言えず美しい。
お花の囁きでしょうか、フレーズが10小節に渡ってなかなか収まりません。
そのあともとりとめなく、つかみどころがなく、お花の囁きは続きます。
ところどころ2声3声になっているので歌い分けしましょう。
この曲だけを取り出して演奏する場合も、全9曲に渡る一連の物語があるということを意識したいです。
そして変ロ長調と明るいはずなのに、うら寂しさのようなものを醸し出せると良いですね。
(実際、この曲を作曲した頃、シューマンの病状はかなり悪かったようです)
小澤征爾さんの言葉にあった美しいものには悲しみの味がするという、典型のような気がします。