ベートーヴェンのソナタ第14番「月光」、大変有名な曲ですが、戦前の尋常小学校の教科書に載っていたこんな話はご存知でしょうか?
ベートーヴェンが友人と夜道を、歩いていると、ある粗末な家からピアノの音が流れてきた。ベートーヴェンの曲であった。
よくよく見ると兄と盲目の妹であった。
妹「一度演奏会へ行ってみたい」
兄「家賃さえ払えぬ身ではないか」
そこへベートーヴェン、
「私は音楽家です。1曲弾いて差し上げましょう」
先程の曲を披露。
妹「もしやあなたはベートーヴェン先生?」「どうかもう1曲」
ベートーヴェン
「ではこの月夜をお題に1曲」
それがかの有名な月光の曲であった。
要約すると、こんな感じ。
全くの創作話ですが、実際、19世紀にヨーロッパの音楽雑誌に載って広まったそうです。
なんだか、つっこみどころ満載ですが、(ベートーヴェンは耳が聞こえなかったのでは?とか)まあ、子ども向けの良い話としては有りかもしれない、戦前だし。
ちなみに、ベートーヴェン自身は「幻想曲風ソナタ」としか書いておらず、「月光」という名で親しまれるようになったのは、ベートーヴェンの死後だそうです。
人気曲、名曲ゆえの創作話なのでしょうね。