tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

何版を使うかという問題

7月号の雑誌「ショパン」の“エディション迷子を脱出せよ!”という特集が大変面白く、ためになりました。

いわゆるピアニストがレパートリーにするような作品に取りかかるようになると問題になってくるのは何版をつかうかということです。

まず、作曲家の意図に一番近いものが原典版です。
それを使いやすいように校訂者がフレージングや運指などを書き加えたのが校訂版、実用版ともいいます。

ヘンレやパデレフスキ、ペータースなどは出版社の名前です。

迷ったら原典版が間違いないです。偉い先生に楽譜を買いかえなさい、とダメ出しされることも少ないです(笑)
ただ、バッハなどはヒントが少ないので、ある程度、楽譜の奥に隠されたものを読み取る知識や経験が必要です。
その点、校訂版はあらかじめ校訂者が意訳(?)してくれていますから、わかりやすい。
信用がおけるかどうか、原典版と二冊で照らしあわせて使うと、よりベターだと思います。

ちょっと前のショパンコンクールからエキエル版が推奨されましたね。それまでショパンはパデレフスキ版というイメージでした。でも、実際、何版を使うかということが成績や評価に影響しない、とされています。

曲において、作曲家において誠実であるならば、それで良いということだと思います。21世紀のこんにち、あまりデタラメな楽譜は売っていないと思います。