先月、レッスンに持っていきました。第1楽章を見ていただきました。
この曲はリストに献呈されています。リストはシューマンにソナタロ短調を返礼します。
それだけで「もう、何!?この豪華なプレゼント交換!」と悶絶ものです。
楽譜の冒頭に詩が記されています。
「響き渡る全ての音を通り抜け
色鮮やかな大地の夢のなかに
ひとつのかすかな音が聞こえてくる
ひそやかに耳を澄ませる人のために」
これを読むだけでイマジネーションが沸いてきそうですね。
初めは属9の和音で始まります。(先生に教えていただきました)何かかきたてられるような印象的なテーマです。ハ長調ですからドミソの主和音に解決したいところですが、なかなか主和音が出てきません。やっと出てきたのは曲の終わりも終わり、終わりから14小節めのアダージョです。この曲は第1楽章だけで約12分ですから、驚きです。
なかなか主和音が出てこない、ずっとスッキリしない、この構成が、あたかも幻想めいていて、心の中の混沌を現しているのかなあと思います。幻想曲たる所以ですね。
この曲はソナタ形式で書かれていますが展開部は1回目のアダージョのあとのインテンポからだそうです。再現部はテンポプリモからです。
展開部、ながっ!解釈、むずっ!
展開部は難解です。組み立てが難しい、泣かされます。
弾けば弾くほど気付きのある曲だと思います。