tomokoせんせいの「少し」ためになるピアノブログ

ピアノ先生歴20ン年のお母さん先生のブログです。右手2の指にジストニアを持ちつつも、9本指で演奏活動もしています。ピアノの上達はもちろん、子どもたちの心の成長のお手伝いができたら、と日々レッスンに取り組んでいます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

バダルジェフスカ「乙女の祈り」

ポーランドの女流ピアニストで早くに夭折しています。 有名な女性の作曲家って何故か少ない、稀有な存在ですね。 しかし、この曲以外あまり知られていません。言わずもがな、昔っからの発表会の定番曲です。 私は曲目選びのとき、曲名も重要視しています。 …

バイエル80番を考える

原書番号80番です。 曲にとりかかる前に、いろいろ言っておきたいことがあります。右、2小節め、ミのシャープが出てくるよ、ミのシャープってどこ?シャープが黒い鍵盤という先入観のある子は困惑します。 黒い鍵盤があったら右隣りを弾きたいところだけどな…

子ども時代の練習風景

前にも書いたことがありますが、 私は某音楽教室の幼児科終了後、個人の先生に移りました。 小学1年生のことです。 その頃の練習時間は1日30分程度でした。両親は音楽をやらない人だったので、基本一人での練習。 時々、5回連続間違えずに弾けるまで、など…

聴音も教えます

聴音とは、ピアノで弾いた旋律の書き取りです。 習い始め早々から、取りかかります。 絶対音感を身につけるには、臨界期があり、早いに越したことはないからです。はじめは、ドとレの違いから。 音あてです。口頭で答えてもらいます。その後、全音符でノート…

ブルクミュラー「せきれい」

せきれいは鳥の名前です。 日本にも広く分布しています。 冬鳥らしいですが、私の住んでいる地域では一年中見られます。 チョンチョンとジャンプして人懐っこいかわいい鳥です。 中国では、雌雄の仲睦まじい様子から「相思鳥」と言うとか(ステキですね)。…

電子ピアノでのコンサート

以前から言っていた、学園祭のコンサート無事終了しました。堂々1時間のソロコンサート、プログラムは1、朗読とピアノ 「エロスとプシュケの物語」 宮城純子作曲ギリシャ神話の情景より 2、ピアノソロ lemon(米津玄師) アイノカタチ(MISIA) 青い影(プロ…

子どもの頃の夢

子どもの頃の将来の夢は3つありました。1つめ、漫画家になりたい 2つめ、学校の先生になりたい 3つめ、ピアノの先生になりたい子どもの頃から見た将来は、漠然としていて、とてつもなく先の話でした。漫画家については、ストーリー漫画を鉛筆書きでは、書い…

チェルニーやさしい20の練習曲より「14番」

とても短い曲です。構造も単純。付点音符の和音を転回しながら上行していくこの曲、この曲のポイントは、 16分音符分の長さで、目指す和音を用意する難しさ、 これに尽きると思います。音を読むだけでなく、指番号を予測してポジション用意が難しい。三和音…

防衛機制の観点から音楽を見てみる

今日は、今、勉強しているフロイトの精神分析論から、少しお話したいと思います。抑動が高まることによって生じる葛藤は、さまざまな情緒体験を引き起こします。 不安や不快、罪悪感、恥などの情緒体験です。それを解消するため、心の安定をはかるための、自…

電子ピアノでの練習

うちにはグランドピアノと電子ピアノがあります。 次のコンサートの楽器が電子ピアノということで、現在、電子ピアノを使っての練習が多いです。電子ピアノを長時間弾いていて思ったこと。黒鍵を弾いていて音を出しにくいなあと感じます。 鍵盤の奥を使って…

おいしい曲

今日は湯山昭さんのピアノ曲集「お菓子の世界」をご紹介したいと思います。湯山昭さんの曲は、子ども時代から大好きでした。 発表会で誰かが弾いているのを聴いて、純粋なクラシックとは少し違った音色に魅力を感じていました。ピアノの先生になってからは、…

バッハ=ブゾーニ「シャコンヌBWV1004」

2017年に、とある演奏会で演奏しました。ずっとずっとの憧れの曲でありました。1年以上かけて作りあげました。とても技巧的な曲で気力と体力が要されます。全曲とおして15、6分くらい。 もともとはヴァイオリン曲なので、元曲も沢山聴きました。きっかけは、…

クレメンティ「ソナチネop.36―2第3楽章」

全音のソナチネアルバム1の8番です。 8分の3拍子。 この3楽章のポイントは何といってもトリルです。 安心してください、その他は特別難しいポイントはありません。しかし、このトリルが曲者です。 全音の脚注には右、16分の3連符で弾くとあります。左は普通…

7本指のピアニスト

11/17付けのヨミドクターの記事にピアニストの西川悟平さんが取り上げられていました。西川さんもジストニアを持っていらっしゃいます。西川さんは、2000年ごろ、ゆっくりした曲、特定の指づかいのとき、違和感を感じ、最初は筋肉疲労かな、と、深く思わな…

モード設定切り替え

子どもたちが大きくなるにつれ、母親モードの自分の比率が少なくなってきました。今はどちらかというと、ピアノの先生モード、学生モードの割合が高くなっています。先日まで、コンクール、学芸会の伴奏指導で、ピアノの先生モードの方にウエイトがありまし…

「こどものバッハ」という教材

インベンション前のバッハの導入期の教材として、私は全音のこどものバッハを使っています。バッハは、音楽史において、ピアノという楽器の黎明期に位置しますが、その頃のピアノは、まだ不完全でバッハは認めていなかった様子、ハープシコードやクラヴィコ…

ゾーンに入る

スポーツ選手のインタビューなどで聞きますね。ゾーンに入る、とは、超集中状態のこと。 集中力が極限まで高まって、他の思考や感情、周囲の風景や音などが意識から消えて、感覚が研ぎ澄まされ、活動に完璧に没頭している特殊な意識状態のことです。ピアノを…

前打音の弾き方

短前打音(飾りの音が1つ)にしろ、複前打音(飾りの音が複数)にしろ、なんだか、正解がわからず指導が難しいです。拍の頭に合わせて装飾音を弾くのか、前拍のおしりから弾き始めるのか問題です。楽典の本には、どちらで弾く場合もあります、と書いてありま…

ドゥセック「ソナチネop.20―1第1楽章」

全音のソナチネアルバム17番です。 ソナチネアルバムの中でも何気に好きな曲です。なんと言ってもテーマが勇ましくって元気になれますね。 この曲、ソナチネと言いつつ、完全なるソナタ形式でないところが面白いですね。全音の楽譜には、三部形式とあります…

レッスン室の冬支度

朝夕の冷え込みを感じるようになって、レッスン室も時々暖房をつけるようになりました。兄弟で続きの時間にレッスン、の生徒さんが何組かいます。 一緒に来て、待ち時間に学校の宿題をやったり、小さな子はお絵かきしたり。 そのためのローテーブル、普段は…

ブレハッチの演奏会に行ってきました

ブレハッチのコンサートに行ってきました。2005年のショパンコンクールの覇者ですね。前半は、モーツァルトのロンドイ短調、ソナタ8番、ベートーヴェンのソナタ28番。 後半は、シューマンのソナタ2番、ショパン4つのマズルカop.24、英雄ポロネーズでした。こ…

音楽家の系譜

音楽家の師、弟子関係の系譜は、その歴史を辿っていくと面白いものがあります。現在、大分意識は薄らいできましたが、音楽を学ぶ者が、一度、師と仰いだら、それは家族以上の関係でした。私が小さい頃も、誰々先生門下だとか、生徒さんと言わずお弟子さんと…

ぴあのどりーむ1より「あひるのさんぽ」

今日からレッスン始めますよ!のとき。 はじめの曲は何かな?一番はじめは「あひるのさんぽ」です。 曲に入る前に指番号のお話から。実は「あひるのさんぽ」の前にゆびのうたがあります。 指には一つ一つ番号がついてるよ、右も左もお父さん指から1、2、3、4…

カワイGS30との出会い

私のピアノ人生の始まりは、多分、テレビでピアノを弾いている人を観て、格好いいなあと思い、母親にピアノを習いたいと訴えたのが最初だと思います。昭和50年代、音楽教室全盛で、女の子の習い事といえばピアノ。 習い事の種類も少なかったし、クラスの女の…

凡人から抜け出す唯一の方法

YouTubeでマコなり社長の動画を観ました。1ヶ月前のなので、最新ではないです。 若く起業された方で、志のある若者に向けて、とても興味深い動画を沢山あげていらっしゃいます。私も時々観ています。その中でもタイトルの「凡人から抜け出す唯一の方法」が、…

バイエル86番を考える

バイエルの原書番号86番です。各楽譜に振ってある番号と違う場合があるので、ご注意を。原書番号86、87番は左右ユニゾンでちよっと難易度やさしめ、先生と連弾できる、一発合格のシールも狙える、なんだかラッキーチャンス的な、バイエルの中のオアシス的な…

頼まれごとは試されごと 2

以前の記事で、在籍する通信制大学の学園祭で演奏の依頼があったと書きました。その後、いろいろあって 思いがけなくも、つい3日前に 1時間のコンサートを学園祭でやらせていただける ことが決定しました。このチャンスを生かしたい!と 数日前の「目下やり…

心臓バクバクだった本番

20代最後の演奏会でのこと。私は高校1年まで関西で育ちました。 そこでずっと習っていた先生(私の礎を築いてくださった方、恩師ですね)と、引っ越し後も交流があり、20代最後の年に演奏会に呼んでいただきました。今住んでいるところから高速で4時間強、な…

最近の右2の指の調子

最近、ジストニアの右2の指の調子が、ますますひどくなっています。 以前は遅いながらも反応していたのですが、意識しないとピンと伸びたままです。 2の指を使わないのが当たり前になってきていて、使わないからますます悪くなるのか、さっぱり対処の仕方が…

黒鍵を多用する曲の譜読み

黒鍵を多用する曲の代表といえば、ショパンエチュードop.10―5「黒鍵」ですね。右手はすべて黒鍵で弾きます。(ただし1箇所を除く。お手元に楽譜のある人はその一音を探してみてください)黒鍵のエチュードは究極としても、シャープ、フラットの多い曲を譜読…